毎回、何かと話題の多い ART BOXの絵本新人賞。
第4回絵本新人賞受賞作品の「バナナムーン」も刊行後、早くも新聞などに取り上げられ注目の本となっています。いったいその秘密はどこにあるのでしょうか?近況も交えて、ふくはらさんにお話を伺ってみました。

■ART BOXの絵本新人賞を選んだ理由は何ですか?
NEW ILLUSTRATORS FILEへの掲載案内がきっかけで、ARTBOXさんの絵本新人賞を知りました。
初めての絵本制作だったので、力試しのつもりで応募させて頂きました。今回の公募で4回目と、絵本公募としてはまだ始められたばかりなので、今までの価値観にとらわれない形で、絵本を見て頂けるのではないかと思いました。
私の作品はデジタル作品でしたので、絵本としては型破りのイメージがありました。また他にも多くの絵本公募がある中で、出品料が必要な事も、しっかりと見て頂けるという気持ちになりました。■絵本の刊行後周囲からの反響はどうでしたか?
自身のホームページがあるので、そこで絵本刊行のことを告知していました。
刊行前からとても多くの方に興味を持って頂き、刊行後も実に沢山の感想や意見を頂きました。また私の周囲には、絵本刊行のことを知らない人も多くいましたので、絵本をお渡しすると目を白黒させて驚いていました。やはり出版物の力というのは大きいと感じましたね。■実際にお子さんを持つ福原さんですが、お子さんからはどんな反応がありましたか?
子供は手作りで絵本を作っている段階から見ていましたので、刊行された絵本を見て特別な反応はありませんでした(笑)
手作りの段階では、絵本を見て「あかちゃんゾウさんの鼻みじか〜い」とか「おつきさん独り占めしたらあかんな〜」とか言っていました。子供としては「絵本を創る」事に興味が湧いているようで、紙をホッチキスで留めて、絵と文字を描いて絵本らしき物を作ったこともありました。全く意味不明な内容でしたけど(笑)■今後の予定や、展望を教えて下さい。
バナナムーンの絵本は、もともとオリジナルのイラストが先にあって、そこからストーリー展開をしてでき上がった絵本です。現時点で、アニマルをモチーフにしたイラストは、全部で48種類あります。イラストを描く時点で、そのイラストを物語の一場面的なイメージで描いていますので、今後はイラストの中から、いくつかを絵本にしてみたいと思っています。
現在、「クジラの夢」と言うイラストを絵本にしていますが、今回のバナナムーンの感想・意見を頂いて、とても参考になったので、少し手直しを加えてみた いと思っています。他にも1点、ストーリーが出来ているものもありますので、今後も絵本にしていきたいと思っています。■最後にこれから絵本新人賞に応募する方に一言アドバイスをお願いします。
アドバイスになるか解りませんが、絵本って大人も子供も楽しめる物だと思います。ですから、絵本を描く本人が楽しんで作らなくては、楽しさが伝わってこないのではないかな。と思います。是非、絵本を描くことを楽しんで下さい。
そして、1人でも多くの方に作品を見て頂いて、感想・意見を頂くのが一番良いアドバイスになると思います


▼編集長より
「バナナムーン」に賞が決まったポイントは、夢があって、物語がわかりやすいことです。そして、お父さんと子供のコミュニケーションの物語であり、作者自身のお子さんのために描いた「お父さんによる絵本」という点も目を魅きました。
▼啓林堂書店 奈良店 より
バナナムーンを実際に見て「お母さま達や子供達に喜ばれる絵本だ」と確信し、発注しました。入荷後は、読み聞かせのイベントも行なう予定です。
▼その他の書店 の声
インターネット経由で図書館やお客さまからのご注文を頂きます。図書館に人気があるようで、再注文が続いています。(紀伊国屋:渋谷南店)

※NEW ILLUSTRATORS FILEについて
ART BOX 刊行の完全ビジュアル勝負のイラストレーターインデックス。ふくはらさんに限らず、絵本に興味のあるイラストレーターは多く、多くの絵本作家やその予備軍たちも掲載しています。※ふくはらさんのHPについて
デザイナー・イラストレーターとしてもすでにフリーランスで活躍中のふくはらさんは、ご自分のWEBサイトから「クリエイター:ふくはらしゅんじ」として様々な事を発信しています。
Diaryはほぼ毎日更新、読みやすい文章でふくはらさんの人と也がよく分かります。
デザイン工房アイランド
※ふくはらさんの描くアニマル

ベジェ曲線で描かれたイラストレーションは、冷たい感じがしてしまい、絵本では敬遠されがちですが、ふくはらさんの独特のタッチは、心を和ませてくれる不思議な温かさと魅力があります。審査員の先生方からも「絵が魅力的」と評価されていました。
■編 集 後 記
お忙しい中、快く質問に答えて下さったふくはらさん。バナナムーンは、そんな彼の人柄の良さがあらわれた「こころあたたまるお話」です。今回の絵本刊行をきっかけに、今後も意欲的な作品・活動を期待しています。