A2:人物というより、「あの人のあの作品」という場合がほとんどですが、作品を見るたびに<スゴイ>と思わされ続けてきたのは、やはりピカソ。思いつくままの列挙ですが、「Backside
of the Moon」と 「Open Sky」という、感覚を本源的なところで揺さぶる作品を、比較的最近体験してすっかり好きになってしまったジェームズ=タレル。そして作品を沢山見ているわけではないのですが、6年ほど前にニューヨークのギャラリーで平面作品に出会って以来、気になっているサイ=トゥオンブリ。表現形式における、こちらをうならせるような創造性を示すピカソと言えども、表現されている内容は過去のもので古い。これは全ての創造活動に共通の宿命。そして、いまこのときを呼吸する創造性にどうしても関心は向かうわけで、自分の人生のなかでたまたま出会ったステキな作品が発端で交流も太く、あるいは細く続いている身近なコンテンポラリーアーティストとして、金子清美(平面/抽象・インスタレーション)、長沢明(日本画手法を踏まえた平面・立体)、重松あゆみ(陶オブジェ)、佐藤省(ペーパードライポイント/抽象)、小池博史(パフォーミングアーツ作・演出・美術家)‥‥など。
音楽関係では、惹かれる曲に出会うとそのアルバムをしばらく聴きつづけるので、どうしても飽きがきてしまう。だから振り返ってみると、あの時はあのアーティストに随分惚れ込んでいたな、というのが正直なところです。でも地中海イビサ島のカフェ・デル・マーのレジデントDJである(現在も続けているのかどうか分からないが)ブルーノのコンパイル感覚には、なにかとても自分の感覚に重なるものを感じ、特別の親近感をおぼえたことがあります。ごくごく最近では、ヴォーカリスト徳永英明のアンドロジナス的声色の魅力に、はまっているところです。