美しき国、わがふるさと
それぞれの心にひろがる忘れえぬ原風景 心のふるさとを想い描く100人の画家とその作品
100人の画家たちが描いたふるさとを、多彩なそれぞれのイメージと個性溢れる作品をご覧ください
体裁:A4変型/オールカラー
定価:3,150円(税込)
ISBN978-4-87298-841-3
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掲載内容のご紹介
入江観
Irie Kan
私は日光に生まれ、山に囲まれた細長い町で育って、私の中に、遥かな地平線、水平線への
潜在的な憧れがあったのかも知れない。
しかし、今も時折、帰郷して故郷の緑の中にいると不思議な安らぎを覚えるのは何故だろうか。
私は、必ずしも日光の風景ばかり描くわけではないが、「緑」の風景の中に、より普遍的な人間の故郷を
見ているのかも知れない。
大藪雅孝
Oyabu Masataka
わたしのふるさと讃岐(香川)には、放物線の形をした小さな山々が点々としている。
それぞれに裾野を展げ独立した光景は、まるでおとぎ話のようで思わずふき出したくなる。
穏やかな瀬戸の海面に浮かぶ愛くるしい島々と延長線で結ばれ、われわれの心をやさしく
包み込んでくれる。さぬきに一歩踏み入ると誰もが何とも言えないゆったりとした落書き
を覚える由縁ではなかろうか。
奥谷博
Okutani Hiroshi
人は、生まれ育った土地、風土即ちその土地固有の気候、自然条件など多くの影響を受けると言われている。
私の生まれ育った四国南端足摺岬の近く宿毛は、海と山の自然に恵まれ太陽の光は強く、台風の通り道と
言われているように、自然の変化にとむ土地である。子供の頃の思い出は海と山である。
佐々木信平
Sasaki Sinpei
ルーマニアの農民をテーマに作品を描き始めて20年が経った。特にマラムレシュ地方は、
ヨーロッパの人々にとっても親しまれている土地で、中世のまま刻が止まっている感じである。
しかし、ルーマニアがEU加盟を目指してからは、急激に変化している。旧い伝統的な木造家屋や
彫刻が施された特徴的な門が、惜し気もなく壊されている。私の第二の古里マラムレシュも、
時代の波にさらわれているようで悲しい。
掲載内容のご紹介
西田眞人
Nishida Masato
2000年以降は主にイギリスの風景を描いてきましたが、今回「ふるさとを描く」というテーマなので古い作品です。
1999年までは自分の住む神戸を描くことも多かったです。震災の2年後、震災の街を描き個展を致しました。
趣のある街並みは失われましたが、現在の新しい街並みが歴史を感じさせる風景に育ってゆくことを期待しています。
浜田泰介
Hamada Taisuke
結婚したての頃だったと思うが、関西生まれの妻を私の故郷に伴った折、石槌山に車で登ったことがある。
車外に出た妻は、「あ、海!」と大きな声を上げた。おいおい、山に登ったんだぞ、何で海だ、という私に、
妻は「でも、これは海じゃないの」と譲らない。これが雲海だと、私は、自分の手柄のように自慢した。
霊峰と呼ばれるこの山をそれから何度も描いてきたが、妻は今でも、あれは海だったと言い張る。
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