写真を撮るきっかけとなったことを教えて下さい
大学を中退して仕事を探していた時に、友人の紹介で小さな写真工房で働くことになりました。それが写真を始めるきっかけでした。小さな工房でしたので1から10まで写真のことをやらせていただき、そこで約2年アシスタント経験を積みました。今から考えると無謀ですが、3年経験を積んだ後にフリーになり、友人の紹介で六本木のスタジオを借りました。六本木で16年、そして現在の恵比寿で6年が経ちました。友人は財産のようで、スタジオを借りた時もそうでしたが今回の写真集も友人に支えられて出すことができました。写真集『南八甲田の森をゆく』出版について
『南八甲田の森をゆく』は、八甲田の写真を8年間撮り溜めてきた中間報告のような1冊です。何万カットある中から80数点に抜粋するのは大変な作業でした。今回の写真集は完成形ではありません。これをステップにしてまた次の写真集を出したいと思います。八甲田はライフワークとして撮っていくので、今後もタイトルやテーマを変えて出し続けていきたいです。他にも撮ってみたいところはありますが、八甲田で8年間撮り続けて、まだ撮影出来ていない場所がたくさんあります。自分の作品としては、八甲田をとことん撮り続けたいと思っています。八甲田の自然を撮る
東京に住んで働いていることが、山に行って撮る遠因になっています。都会にいるからこそ自然のありがたさを敏感に感じるのだと思います。自分の足元(故郷)である八甲田の自然を撮ることで、自分の中でその価値を再評価しました。山岳写真ではなく、八甲田の森や川の自然に目を向けて、自分としては違ったアプローチで本格的に撮り直してみようと思いました。8年間八甲田の写真を撮り続けて感じるようになったのは、“山の神様はいる”ということ。宗教的な意味ではなく、山の中で自然と向き合って撮影をしていると、神様を敬う気持ちが湧いてくるのです。写真集を手に取る方々へメッセージ
もっとたくさんの写真を見せたかったのですが、限られた枚数の中から自分の感じたことを自分の言葉で表現した文と写真が違和感なく伝わっていればと思います。森と川の気配を感じて、息吹が伝われば嬉しいです。
今後の活動展開について教えて下さい
これからも八甲田を撮り続けていきます。また、もう一つのテーマである「幻色の都」の写真も平行して撮っていきます。もう少しスパンを短くしてまた作品集を出版し、個展をやりたいです。
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