多くの公募展からART
BOX大賞展を選んだのはなぜですか?
公募展を色々見ていて、自分がここ数年ずっと取り組んでいるテーマ「存在」とARTBOX大賞展の課題テーマが一致したので。
受賞記念として個展を行う事についてはどう思われますか?
個展ができることはありがたいです。特に銀座という場所ですので、様々な人々に見ていただけるという期待もありますね。Q3:
油彩を描くきっかけとなったことはありますか?
小さい頃から絵を描くのは好きだったのですが、高校に入ってから美術部に所属して本格的に油絵を描き始めました。その頃は我の強い、暗い絵ばかりでした。今の絵はどちらかというと一歩引いた感じの画風の絵だと思います。また、以前は概念から考え始め、考えすぎで頭が痛くなった経験があったので、そういうものを一時期全て取っ払い、感じるものを描くようにしました。最近は概念や知識などより、やはりそういう自分の感覚を大切にして描くようにしています。Q4.
作品について教えて下さい。
うつろいゆくもの全てに惹かれ、その瞬間や時間の流れを表現しています。花などの枯れ始める瞬間が特に魅力的だと感じ、よく描いています。最近では枯れてしまったものや枯れてなくなってしまったものやそこにあったものが取り除かれた後なども描いています。また、自分の記憶の残像というものも絵に写し取っています。Q5.
作品の技法について教え下さい。
マチエールで見せる表現をしていたこともありましたが、ここ数年、フラットで平面的な絵に落ち着いてきました。よく「写真的」と言われるのですが、写真とは違うリアリティを求めています。また、背景などはグラデーションの効果で空間表現を意識しています。はっきりした色使いより、曖昧な色味を好みます。特にグレーなど、物にも空間にも成り得ないようで成り得る色。モチーフと背景の境界が曖昧で「亡霊の如く、対象物が佇む」ような画面を創り出すようにしています。
Q6.
影響を受けたアーティストはいますか?
昔は、エゴン・シーレやフランシス・ベーコンが好きでした。それに、高校三年生の頃に、山陰地方を一人旅していた時に立ち寄った金沢の石川県立美術館で洋画家・鴨居玲の作品に出会ったことが大きかったように思います。その時、「蛾と老人」という作品の前に立ち尽くしてしまった記憶があります。とても印象深く、この画家の作品との出会いにより、絵の道に進もうと決心しました。
Q7.
これからどのような形で活躍していきたいですか?
展開はあると思いますが"予想はできません。これもうつろいゆくものですから、今後どう変化していくかは定まっていません。ですが、作品の不完全さを糧に、人の心に残るような普遍性を持った作品制作をしていきたいです。
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