個展開催にあたって
これらの作品の多くはマケットとして制作したものです。拡大したものをイメージして観て下さい。
私は最初「石」という素材に魅せられて、いろいろなテーマで石彫作品をつくりました。その中で私がこだわりを持って選んだモチーフが「りんご」です。石のりんごを作る中から「透明なりんご」のイメージが広がり、今私は
「透明」な形を追求しています。石彫作品の持つ重厚な造形と、透明作品の持つ神秘的な造形の両方をご覧下さい。展示作品の見どころ
今回の展示では旧作から新作まで、私の30数年間の歩みをまとめてみました。個々の作品を味わいながら、その変遷をたどっていただければと思います。
制作のテーマ
制作をするテーマに特に執着はありません。石彫はフィールドワークです。屋根はありますが、吹きさらしのアトリエからはいつも空が見えます。四季を通して移り変わる空模様は私の慰めであり、その造形は私の制作意欲をかき立てます。空模様に、私は心情的な喜怒哀楽を感じます。
また私は、水の流れや風の息吹など、自然現象にも惹かれます。「自然」の中に宿る「心情」的なものから作品を生み出せたらと思っています。『自然現象』・・・これが私のテーマと言えるでしょうか。
りんごをモチーフに作品を制作したのは・・・
「りんご」の造形に私は惹かれます。「りんご」は言葉を発しないけれど、私たちにたくさんのことを語りかけてくれます。また「りんご」はそこにあるだけで美しく、安らぎを感じさせてくれます。私は、そんな「りんご」をモチーフにして、いろいろな角度から表現したいと思ったのです。道ばたの石地蔵のように「りんご」のオブジェが町の景観の一部になれると思っています。
今後の展望
ものをつくり出すことは素晴らしいことです。多くの人に私の作品を見てもらい、見てくれた人に『力』を与えることができれば幸いです。これからもいろいろな「りんご」のあり方をテーマに制作を続けたいと思っています。