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 画家
 小林 絵里子 さん

じっくり観察しながら描かれた鳥達のイラスト作品集。写真から写し取る作業では表現できない、生命力やストーリーが目に楽しい。裏面には鳥の解説も掲載。

Bird Sketches
[ポストカードブック]

生き物はじっとしていてくれないので、写真を撮れば正確に描けるかもしれません。しかし、生き生きとした感じを出すためには、自分の目でじっくり観察し、現場で直接描くのが一番だと思います。出来るだけ時間をかけてじっと観ることで、いろいろな発見ができ、ただの鳥も虫も花も、特別なものに変化してくからです。(まえがきより)

作品を本にまとめようと思ったきっかけを教えてください
個展の際にフィールドに持ち歩いていたスケッチブックを置いているのですが、お客様が 熱心に見てくださるので、スケッチの持つ生の感じをまとめたら面白いかな、と思ったのがきっかけです。見るだけではなく、使える物がいいと思い、ポストカードにしました。
実際に作品を1冊の本にまとめてみて、感じた事などはありますか? 出版してから3年ほど経っているので、改めて見るともうちょっとこうすれば良かったかな、と思ったりするのですが、きっといつ作っても時間が経てば同じことを感じるのでしょうね。

今後は動植物以外の新たなモチーフに展開していくことはありますか?
「動植物以外に何かを描け」といわれたら…何を描いたらいいのか思い浮かびません。 自然に対しての興味と好奇心は尽きることはないと思うので、これからもずっと生きものの世界を描いていくと思います。 ただ、人物画とか抽象画など別のジャンルの作品で感動したりすると、影響されて自分も描いてみたくなる…ということは多々あります。しかしやはり向き不向きがあるようで…特に、思いっきり芸術してる世界は、ひとつの「憧れ」ですね。

スケッチ画の一番の魅力とは何だと思いますか? 私自身、絵描きさんの下描きやスケッチを見ることが好きなんです。作品の裏側を見るようで面白いですし、それを見ることによって作品の見方が判ったり、また変わったりもしますし。一番の魅力は、やはり「生感」じゃないでしょうか。見ているものに対する感動をその場で手に伝えてその瞬間でしか描けないものを描くということで、作家の息づかいが直接伝わってきます。本当は、下描きとして作品の陰に隠しておくべき部分なのかもしれませんけれど…

今後のご予定や展望を教えてください。 10月、11月に展示会と個展が控えているので、その準備に取り掛かっています。
来年はアメリカでの展示会も予定されています。最終的な目標は、作品を通して、描かせてもらっている自然に恩返しできるような活動をしていくこと。そのために、臆せずいろんなことに挑戦していきたいと思っています。
小林絵里子さんのホームページはこちら → http://www2.odn.ne.jp/eris-arts/

鉛筆の線とわずかな水彩のみで鳥の羽やくちばしの質感、あたたかく力強い生命力を描き分けている小林さん。今、まさに描き写したばかりのような生き生きとした線が印象的です。国内外の展示も多く控えてるお忙しい中で、インタビューに快く応じて頂きました。 ありがとうございました。

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