現在ART BOXギャラリーでは、藤川素子の「夢日記」出版を記念いたしまして「藤川素子染色展」を開催しております。夢の記録を23年間にわたって書き続け、創作のあり方に向き合ってきた染色家、藤川素子。夢や創作に対する思いなど、興味深いお話をお伺いしました。
プロフィール 広島県立第一高等女学校卒業後、光風会、日展、日本現代工芸美術家協会展へ出品。1980年 日展/特選(88年同)。1987年 日本現代工芸美術家協会/東京都教育委員会賞。日展会員、日本現代工芸美術家協会評議員。 ゆめみし主宰。 2008.03/30より夢日記出版を記念しART BOX GALLERYにて個展
夢日記を20年間以上にわたって続けるに至った原動力をお聞かせ下さい 昔から不思議な夢は見ていましたが、親鸞聖人の夢を見てこれは書かねばならぬと強く思い以後、書きとめるクセがつきました。特に努力をして書いた事はありません。鮮明な夢が多く、又意志の伝達としての言葉もハッキリとしていますから書くのは簡単でした。夢は幻想と現実のミックスした物であり、私に勇気、希望を与えてくれました。本箱の隅で眠り続けたであろう夢日記が、日の目を浴びるなど直前まで考えもしませんでした。しかし「恐れることはない。」と言うどこか高い所からの言葉に励まされて「そうだ。本にしたい!」と思ったのです。読んで下さった方が、小さな星でも見つけて下さったら、どんなにか嬉しいとおもったからです。文章表現と視覚表現の関係はどのようにお考えですか文章表現と視覚表現、たしかに異なるはずですが、私の心の中では両者一体となっております。現実には有り得ない夢の世界で豊かな色彩を見る、物の形、動きをとらえる。又、現実生活の中で物を見る。そして文章表現をする。これは連動しているのです。一つの流れとして表裏一体、無理はありません。今回、むずかしい質問を受けてハテナと考えましたが、これ以上の事はわかりません。今回の展示の見どころをお聞かせください 創作は夢の中のように自由ではないのです。その時々の精一杯の想像力を働かせる、その一語につきます。想像という翼があるとしたら夢の片鱗がどこかで支え手助けしてくれてもいるのでしょう。作品は私にとって夢ではない現実です。今回は昔の作品も出品しましたから、その違いがおわかりになると思います。良くも悪くも私はこうした世界しか持てない。ろうけつ染の方法で私にしか出来ない世界を表現しているつもりです。今後の展望をお聞かせ下さい。 体の老化は自然にまかせるとして、心はこの道一筋歩み続けたいと願っています。特にこれと言った目標はなく一日一日を大切にするだけです。
清涼 \168,000 二つの三角形、不思議な目のような玉、幾何学的でもあり有機的でもあるキャベツのような形は、作品に繊細なバランス、 神秘的な落ち着きを与えています。
浮幻の地底湖 応相談 画面上部の岩景色と下部の濃紺な湖の コントラスト。青く澄んだ透明感のある世界の中に、静けさと力強さを感じる作品です。
いまだ知られざる \168,000 空間と物質がつながりをもち混じりあうかのような多次元空間。深淵な世界をお楽しみください。
藤川素子 「夢日記」 藤川素子の23年間にわたる夢の記録を、幻想的な多数の作品とともに収載いたしました。幼児体験、創作活動の葛藤、恩師との出会い、母への敬慕・別れ…。波乱万丈な人生を彩った、夢世界をお楽しみください。
藤川素子の染世界 日展をはじめ数々の展覧会で受賞し、高い評価を得る著者の染の作品集。抽象と具象が混ざりあう力強い染めの色彩は見るものを引きつけます。作品に自らを染め込む藤川素子の染の世界。
深く神秘的な世界を、精神と物質、夢と現実が繋がりを持ったような多次元的空間によって表現する藤川先生。 「夢と創作する世界の両輪あってこそ、私はこれ迄やって来られたのだ…。」そんな先生の御言葉は、作品を通してきっと感じられることでしょう。
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