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.古市正彦 アーティストの声



ARTBOX期待の作家です。受賞を機にあらゆる活動を通じ、更に成長して洗練されたみずみずしい感性をぜひご覧ください。


2009年の活動をお聞かせ下さい。


2009年4月に横浜で個展があります。それは私と友人達とのplusというグループ展(2回目)をやってきました。
今回3回目は、メンバーの連続個展をやらさせていただくことになりました。4、5、6月と続きます。
私が 4月の展示をさせていただきます。 4月の展示では、島をモチーフとして、「求愛ダンス」をテーマに制作した作品を発表します。
しかし、実際に存在する鳥と求愛ダンスではなく私なりの解釈で表現した作品です。


作品の生まれる瞬間はどんな時ですか。


街を歩いている時、地下鉄に乗っている時やどこかで休んでいる時など、イメージが湧く瞬間というのは時と 場所を選ばずやってきます。あとはそれをどうやって作品に発展させていくかということになります。
沸き上がったイメージを具体化するために、それを表すフレーズとか言葉を探します。それが後に展覧会全体を 通してのテーマや作品のタイトルにもなったりもするし絵をさらに先へ進めて行くためのカギになります。
それらの中には、当然その時に作品にならないものも出てきますが・・・

(生命ある)静物をモチーフが多いですが人物画はどのようにお考えですか。

他人から見るとなんでこんなものを、と思えるものを捨てられず大切に持ち続けていることなど誰にでも 少なからずあると思います。モチーフになっているものの多くは私の身の回りにあるものです。
例えば部屋の整理をしていて、たまたま見つけたもので、色々なことを思い出すということがあると思います。
その時の気持ちは人それぞれでしょうが、絵を見た時とも同じ様な感情を呼び起こすきっかけになるものを 描きたいと思っています。そうすると、人より、人が手に持っているものや身の回りにあるものがモチーフ として増えてしまうのかも知れません。でも結局は人を見詰めていることと、同じなのかもしれません。

「シカクイ雨」(P100) の大作の制作エピソードをお聞かせ下さい。

まず、雨降りのことについて、描きたかったということが一番最初にあります。
雨のイメージというと つめたい、ぬれる、服にしみこむとか色々あると思いますが、心にひっかかるものにしたかったのです。
そこで、水滴の形より、シカクイ雨のほうが体に触れた時に心にひっかかりやすいと思えたのです。
  展示作品16点の中から3点をピックアップしてご紹介いたします。作品一覧

「シカクイ雨」
雨のなか、佇んでいるような、誰かを待っ
ているかのような時を感じる作品です。

「a full moon」
儚気な葉も、「生きている」という 存在感を感じさせる作品です。

「labyrinths」
日本画を感じさせない色使いと構図が美しい作品です。

日本の伝統的な技法や様式の上に育てられた日本画でありながら、物語の中へ入り込んでしまった ような世界を創りだし、奥へ奥へと引込まれていきます。
過去の記憶や幻想の中に、現実の世界をも 取り込んでゆく目に見えない空間の中へと誘ってくれることでしょう。

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