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アーティストが表現する花の刊行を記念して、白日会会員の画家:平田英子さんをお迎えしてお話を伺いました。日頃目にする野の花や果物などをモチーフに、心安らぐ爽やかな絵を発表しつづける平田英子さんのご体験と作品について貴重なお話をお届けいたします。

プロフィール
東京都生まれ。鴨沂学園卒業。ロシア国立レーピン美術大学で研修。1992年白日展/佳作賞。2001年白日会会員。白日会会員・爽蒼美術協会会員。岩崎ミュージアム・アトリエスズキで個展開催。
2005.10/3よりART BOX GALLERYにて個展

突然やってきた絵画創作への意欲
私の息子が小学生の頃、招かれた担任の先生のお宅に素敵な水彩画がかかっていました。それを見て、どなたの作品か訊いてみたところ、その先生ご自身によって描かれたものだと分かりました。そんなことから、私にも出来るのではないかしらと思い、街にある絵画教室に通い始めたのです。ですから、若い頃から画家になることを志していたというわけではなく、ある日突然の出来事がきっかけで描き始めて今に至っています。絵が身近だった家庭環境
私の母は明治の生まれでしたが、絵描きになりたかったようです。でもその時代の女性が絵描きになるのは大変難しかったようです。よく母は小さな私を連れて日展などの絵画展覧会に足を運びました。それに母は日本画家・室田秀太郎先生のモデルになったこともありました。その絵画の題材は、母が我が家のお茶室でお点前をしているシーンでしたのでよく憶えています。また、叔父もいとこも絵が好きでしたので、このような家族の環境が少なからず私に影響をしたにちがいないでしょう。対象物との出会いは一期一会
対象物の花ひとつひとつにそれぞれ背景があります。例えば、このコスモスは様々な人の手を経て今この私の目の前に来たのだ、と思うとありがたく感じます。「一期一会」という言葉のように、対象物との出会いも、私にはとても大切に感じられます。自分以外の力によってここにきたその花々の過程に感謝しながら、精一杯いい絵が描けるように力を注ぎます。そしてモチーフとなった花や籠、貝などが「ああここにきてよかったな。」と思ってもらえるように描いています。絵を描くことによって、私自身の精神が成熟への道へとたどらせてもらっているのだと思います。描いているモチーフとの対話
まだまだ発展途上なので、世間に知られずにひっそりと絵を描き続けていきたいと思っています。静かにコツコツと絵を描くことで十分です。そうやって題材となる色々なモチーフひとつひとつと対話していくことが私にとっての絵画制作です。そして見る人も、作品の中にある対話を直に感じ取ってくれれば、この上なく嬉しく思います。

「草花が大好きで、特に花々からは幸せ・勇気・癒しなど沢山頂いている」と語る平田英子さんが本展のために描き下ろしした新作をご覧下さい。作品一覧
芍薬 \147,000
本展が決まって、もう季節はずれなのに1本だけきれいな姿で咲いていた芍薬に「私を描いて。」と語りかけられ、描いたものだそうです。

なごり \63,000
芍薬(しゃくやく)と薔薇のドライフラワーを水彩でシックに描いた作品。落ち着いた色使いは大人っぽい魅力が溢れています。

漂う蘭 \147,000
貝殻と蘭のくみあわせは、太陽の陽射しが降り注ぐ南国を思わせる雰囲気。背景の水色が、澄みきった海や空を想像させ、とても華やかな作品。

アーティストが表現する花/年鑑
油彩・水彩・日本画の平面作品に始まり、ジュエリー・彫金などの立体作品まで「花」をテーマに展開する年鑑作品集。現在活躍中のアーティストを中心に作品とプロフィール、コメントを掲載。

会期中、いつも笑顔で和やかな雰囲気を醸し出していた平田英子さん。博学で好奇心旺盛な平田さんの豊かなご経験に基づく会話に、スタッフ一同惹きつけられました。「若い人を応援したい。」という平田さんのお気持ちから、興味深い独自の哲学を交えて色々なアドバイスを頂きました。人に対して、物事の一つ一つに対して丁寧に真剣に対応して下さる平田英子さんの人間的魅力が印象に残りました。

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