1980年羊画廊(新潟市）で初個展。1997年〜2000年USA 3Dイラストレーションアワード銅賞受賞。2000年ARTBOX第６回出版アート大賞受賞。2002年第３回インターナショナル・イラストレーション・コンペティション優秀賞受賞。絵本に「ポポのひみつ」「さみしがりやのももいろライオン」、、作品集に「CLAY FANTASY」など。

プロフィール
1980年羊画廊で初個展。1997年〜2000年USA 3Dイラストレーションアワード銅賞受賞。2000年ARTBOX第6回出版アート大賞。他多数受賞。著書：ポポのひみつ／さみしがりやのももいろライオン／CLAY FANTASY等
2006.7/31よりART BOX GALLERYにて個展

和菓子職人の父の影響
粘土での造形を始めたのには父の影響が大きいと思います。和菓子職人の父は、コンテストに出品する和菓子を家でよく作っていて、興味を示した僕にも粘土でのバラの花の作り方などを教えてくれたのです。粘土でバラが作れるなんて幼稚園のクラスで一人でした！　得意になって作ったことを憶えています。絵本への思い
デザインの専門学校に入ってグラフィックデザインを学んだのですが、デザイナーになるよりも絵本のイラストを描きたいという思いを漠然と持っていました。小学生の頃にくり返し読んだ『TINTIN』や手塚治虫の『新宝島』などに対する憧れが強かったんですね。絵本のイラストと、ずっと続けていた粘土造形が自然にリンクする形で、卒業制作には粘土のキャラクター絵本を制作しました。個展にこだわる
造形作家としてのデビューは学生の時です。学園祭で販売した小さな粘土人形が画廊の方の目に留まって、個展を開くことになったのです。その個展がきっかけになってだんだん仕事が広がっていった。現在、広告や絵本など色々な種類の仕事をしていますが、僕の場合「営業」はしていません。あくまでも、個展から広がっていくという形です。自分の作品を、個展という場で定期的に発表しつづけるということにこだわりを持ってきました。最初の個展からもう26年経ちますが、その時に来てくれた小学生が大人になった今も来てくれるんですよ。「マザーグース」と「NENDO-MANGA」
今回の個展はマザーグースとNENDO-MANGA（粘土漫画）という２つのテーマで構成しました。マザーグースはもともと好きで、まだ自分の世界が出来あがらなかった頃によく試作していました。制作を始めて年月が経ってくると、作品の質が高くなる一方、つい簡単な方に流れがちになってしまいます。そんな危機感を感じて、今回、少し原点に帰ってみようと思ったのです。マザーグースはテーマがきっちりと決まっていて、表現として面倒なところがある。そこにあえて挑戦してみました。実際に制作して過去の作品と比べてみると、表現方法も変わってきていて、自分の世界により近くなっているなと感じています。POPでかわいくシンプルに、小ささにこだわって表現したNENDO-MANGAと共に、楽しんでいただければと思います。
楽しんで続けることが目標
15年位前に、一度すごいスランプに陥ったことがあります。仕事に追われて全く発想できなくなり、作れなくなってしまったのです。つらかったその壁は、原点に戻ることで乗り越えました。依頼されたものを仕事として作ることのほかに、自分の作品を楽しんで作ること。あのころは楽しむということを忘れてしまっていたんですね。続けるというのも大事です。今は毎日何かしら制作するようにしています。作っていないと不安になるんですよ。「楽しんで続ける」ことが今の目標です。自分には「粘土での造形」しかない。これだけを楽しく追求していきたいと思っています。

オーブンクレイで作られた不思議でかわいいキャラクターたちがユーモラスな表情でお出迎え。思わず顔がほころびます。きっとあなたと気のあうキャラクターがみつかるはず！作品一覧1　作品一覧2
Humpty Dumpty I　\35,000
マザーグースの中でも特に有名な「ハンプティ・ダンプティ」。丹念に作り込まれたディテールが、独特の世界を表現しています。

ネコリョーシカ：中　\10,000
なんとも和む表情の猫のお腹の中にはあくびをする猫。そしてそのまた中にも猫が…！思わず触りたくなる質感とかわいいユーモアが印象的な作品です。

とらうま　\2,000
NENDO-MANGAシリーズ。クスリとさせるキャプションとともに、まず目を引くのがその小ささ！「小さい程作りやすい」という作家の本領発揮です。

さみしがりやのももいろライオン／絵本
ちいさなももいろの雲で暮らすちいさなももいろライオンのももちゃんはとってもさみしがりや。ある日空からおちてきたひと粒のタネに水をあげると…。

CLAY FANTASY／作品集
皆川さんの生み出すキャラクターたちが絵本の中で動きだし、独特のストーリーを形作ります。立体ならではの世界観をお楽しみください。その他現代日本のイラストレーション・NEW ILLUSRATORS FILEでも作品をご覧頂けます。