ART BOXギャラリー夏の展覧会でお馴染み、今年で9回目となる皆川リョウイチさんの展覧会。 毎年新たな世界で私たちを楽しませてくれる皆川さんが今回お届けするのは、「ナーセリーランド物語」です。皆川ワールドが形作られるまでの楽しい制作のお話などをお聞きしました。
プロフィール 1981年新潟デザイン専門学校を卒業と同時に新潟を拠点に、フリーで絵本、公告のための立体イラストレーションの仕事を始め、現在に至る。1995〜2006年羊画廊(新潟市)/1997〜2000年 USA3Dイラストレーションアワード銅賞受賞/1999〜2006年 個展ART BOXギャラリー(銀座)2000年 ART BOX第6回出版アート大賞受賞/2003年 第4回インターナショナルイラストレーションコンペ最優秀賞受賞2005年「CRAY CHARACTERS」ボックスギャラリーCUBE(表参道) 2007.7/15よりART BOX GALLERYにて個展
新たな試み 今年は今まで行なってきた個展とは違うスタイルで、『かわいい』をコンセプトに作品づくりを展開しています。昨年まではかわいい作品とリアルな世界を表現した作品を織りまぜて個展で発表してきました。というのは、幼児向けの雑誌のカットなどの仕事をさせていただくことが多々あるのですが、そうなるとどうしてもかわいくて明るいイメージの作品制作を求められるんですね。もちろんそういった作品づくりも楽しいのですが、そればかりだと物足りなさを感じてしまうんです。なので個展ではリアルな動物や人物が登場する作品を発表するスタンスでした。しかし、昨年あたりから自分の作品の方向性に行き詰まりを感じ始めるようになりました。そこで、学生の頃に始めたモノづくりの気持ちを思い出して、一度原点に戻ってみることにしました。今回、素直にかわいさをコンセプトに作品制作をしたのも原点に戻るひとつの形なんですよ。今年のメインキャラクター ナーセリーランドに暮らすクウ・リン・リク・ソラの4人はいきものかぶり族という動物のかぶりものを着たキャラクターです。 僕が以前作ったキャラクターで、猫が他の動物のかぶりものをしている子がいて、そこから展開して生まれたのがいきものかぶり族の4人です。今回はその新しい4人に加えて、古くからナーセリーランドに住むキャラクターたちもところどころで作品に登場させています。心がけていること 趣味が興じてクレイ作家として仕事をさせていただいて、本当に楽しく作品づくりをしています。というよりも、楽しく作るということが、作品づくりにおいてとても大切にして、心がけていることなんですね。そういう姿勢が見る方々にも伝わって、喜んでいただけるのではないかと思っています。 とは言え、苦労したこともありましたね。ナーセリーライムというイギリスの童謡の世界をテーマに作品を制作したことがありまして、かぼちゃの家と靴の家というのを作らなければいけませんでした。どう立体化すればいいのか、あの時は随分悩みましたね。自分でイメージして作る作品は、自分のやりやすい様に形にできるので、そういう意味では元々あるテーマの作品を作るより楽ですね。
オーブンクレイで作られた不思議でかわいいキャラクターたちがユーモラスな表情でお出迎え。思わず顔がほころびます。きっとあなたと気のあうキャラクターがみつかるはず!作品一覧1 作品一覧2 ナーセリーランド物語 in ボトル \12,000 メインキャラの4人がボトルに入っています。小さくて精巧な作品を見ていただきたくて制作しました。 実はボトルは特注品で、友人がこのために作ってくれました。
六月の物語 \35,000 雨降りうさぎが登場して雨がしとしとと降っています。このキャラクターが登場した後に必ず登場する虹色ライオンを、4匹が待っているというシーンです。
一月の物語 \35,000 この大きい猫は干支をかぶった干支猫様というキャラクターです。来年が鼠年なので、鼠が真ん中になっています。
「ナーセリーランド物語」/ポストカードブック ナーセリーランドに住む「いきものかぶり族」、クウ(空)ソラ(宙)リン(鈴)リク(陸)の4人と、ナーセリ−ランドに暮らす不思議な仲間たちとの一年間の物語がぎっしりとつまっているポストカードブックです。
さみしがりやのももいろライオン/絵本 ちいさなももいろの雲で暮らすちいさなももいろライオンのももちゃんはとってもさみしがりや。ある日空からおちてきたひと粒のタネに水をあげると…。
CLAY FANTASY/作品集 皆川さんの生み出すキャラクターたちが絵本の中で動きだし、独特のストーリーを形作ります。立体ならではの世界観をお楽しみください。その他現代日本のイラストレーション・NEW ILLUSRATORS FILEでも作品をご覧頂けます。
本当に作品をつくることを楽しんでいる皆川さんの姿がとても素敵でした。これからも皆川ワールドの世界が更に広がって、私たちを楽しませてくれることでしょう。 先生の益々のご活躍を期待しております。 →絵本出版記念インタビューもご覧ください
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