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第7回受賞者
佐々木貴行
さん神奈川県在住。30歳。
東京工芸大学芸術学部デザイン学科卒業。
メディアアート専攻修了。
現在、出力オペレーターをしながら制作活動を行っている。




花火の夜に [絵本]
今日は まちにまった 花火大会。
夏吉 風太 海ちゃんは、夏吉の家で
今年は どこで 花火を見ようか そうだん中。
「そうだ!いな山にある おばあちゃんの家で
見よう!」
でも 夜はあぶないからと、お母さんは 心配顔。
すると「よーし、お父さんがついていってやろう!」
夏吉たちは 大よろこび。

※全国書店・Amazon.com等で発売中。



受賞記念展開催にあたって
今回、念願だった絵本作家としてデビューすることができました。ずっと、夏の雰囲気の絵本が制作したいと思っており、今回、『花火の夜に』で新人賞をいただくことができ、心から嬉しく思っております。僕が思い出す小学生の頃の夏休みといえば、学校とは違う友人の素顔が見れたり、少し夜遅くまで、起きて大人な気分になったり。僕にとって、それは特別で不思議な時間でした。
本作では花火を初めて見た時の美しさ、あの時の感動を伝えようと思い制作いたしました。原画をごらんになっていただいて、少しでも夏の雰囲気を感じ取って頂ければ幸いです。
今後も少しでも皆様の心に響くような作品が作れるよう、努力していきたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します。
受賞の知らせを聴いたとき電話でご連絡をいただいたのですが、信じられませんでした。
まさか新人賞を受賞できるとは思ってもみなかったので、とても感激しました。
また、半年間、夜更かしをして制作していたので、受賞させていただくことができ、少しほっとした気持ちもありました。受賞作『花火の夜に』を描いたいきさつ
数年前から夏の雰囲気の絵本を制作したいと思っていまして、何年か前に地元の友人達と花火大会に行った際、昔初めて花火を見た時の感動を思い出し、その気持ちを皆様に伝えたい!と思い立ったのがきっかけです。また、地元(湘南)を離れてみてわかったのですが、いかに生まれ育った場所が自分にとって重要な場所だったのかを感じ、地元の風景を描きたかったということもありました。そのような思いで制作致しました。絵本の制作で大切にしていること僕にとって絵本は、親子でコミュニケーションをするための1つのツールだと思っています。と考えた時に、まず絵が文章の挿絵にならないというのはもちろんのことですが、絵と文章のバランスが上手くまとまっているか、ということです。
例えば文章で書かれている事以上に、絵の方に様々な情報をいれてあげる。
(今回でいえば蝉がふ化しているところとか)その絵を見て、お子さんが親御さんに「これはなに?」と質問し、そして親御さんがお子様に説明してあげる。そのような親子のコミュニケーションがとれる様になっているのかというのを意識して制作しています。これからの展望お子さんの心にストレートに訴えかけられる作家になっていきたいです。
僕がなぜ絵本作家をめざしたのかというと、僕の絵はなぜか物語性が強い絵を描くのだなと 気付いたからです。また、自分の心の中に一番印象に残っているのは誰の絵なのかと考えた時に幼稚園の時に読んだ伊藤秀男さんの『じぞうぼん』という絵本でした。幼い子供の心に鮮明に焼きつける作家は偉大な存在だと思います。次は自分がそうならなくてはいけないのでは、と思いました。
また、日本にとどまらず、世界中の皆様の心に残るような作品を制作して行きたいです。
これからも日々努力して参りますので、どうぞ宜しくお願い致します。


絵本新人賞 受賞記念 佐々木貴行展が2008年8月24日〜8/29日まで
開催しております。



『屋台と潮風の橋』 \31,500-
大胆な構図で描かれた原画の一枚。屋台の風景が楽しい夏の一時を感じさせてくれます。

『わたしと家族と蝉の声』 \31,500-
鮮やかな色彩が目を惹きます。右下の蝉の存在と後ろで楽しむ人々の対比が面白い一枚です。


『カッパ沼の夕暮れ』 \35,000-
夕暮れの優しさが沼をつたってどんどん流れ込んでくるようです。あちこちでカッパが寝たり遊んだりしているのがかわいい一枚です。

佐々木さんの絵本に対する考えや思いをお聞きして、また新たな視点で『花火の夜に』を読むことができました。
これからも心に残る絵本を私たちに届けていただきたいと思います。
今後のご活躍を期待しております。

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