写真の魅力
高校のときから、モノクロ写真を撮り始めました。写真は、コレクションのようにどんどんたまっていくような感じがとても好きです。人物よりも植物、風景、食べ物などに惹かれます。今日は「撮るぞ」と思いながら、普段とは異なる写真を撮る「目」を持って撮っています。写真の魅力は、こうして撮るとどんな風に写るんだろうと懐中電灯で照らしたり、布を後ろに広げてみたり実験をしながら、仕上がった時の今までに見たことのない写真に出会った時です。
制作について
4×5で撮っていた仕事がデジタルに切り替わることになって、まるまる100枚のフィルムが残りました。そのまま冷蔵庫で期限を迎えるのがもったいなかったので、花屋やスーパーマーケットの片隅で見つけた植物(的な物も含む)、撮影小道具として使った花などをモチーフに、久しぶりに個人的な写真を撮り始めました。順調に行けば33カットの作品が残るはずでしたが、そうはうまく運ばずに、4×5のストックが終わった後はブローニー、そしてデジタルへと記録媒体は変わっても撮影は続き、今に至っています。
今後の活動展開
大自然より、人間の手が加わった物や風景に興味が向くので、基本的にモチーフには、野生の植物ではなく、あくまでも観賞用の、ヒトに見られることを目的とした花や植物を選んでいます。それはつまり、出会った時から既に命の秒読みが始まっているもの、という意味合いも含んでいます。写真の良さは残すことにあると思っているので、私にとっては、撮影することで命あるものの二度と再現できない状態を封じ込めて、コレクションしているようなものなのだと思います。今回の展示作品は、ほとんど自分のための習作として撮り始めたもので、バックは黒か白(後になって飽きたので撤回)、イメージをちょっと裏切る、という決まりを作りました。習作といっても、実際に仕事に役立っているかどうかは疑問だが、ひとつずつコレクションを増やす感覚で、これからもひとつひとつ遅々とした歩みながら制作を続けて行きたいと思います。
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