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今回はART BOXからポストカードブック「空想鳥瞰図」を出版した写真家・山内城司氏をお迎えしてお話を伺いました。写真なのに絵画のような佇まいとモノクロームの静けさが漂う山内さんの写真作品。これまでのご経験や作品展開についてのお話をお届けいたします。

プロフィール
1962年熊本市生まれ。1985年大阪芸術大学中退後、写真家・高村規氏に師事。1989年神戸の広告写真スタジオに入社。各種広告写真撮影を担当。2001年山内城司写真事務所を設立。APA会員。
2006.5/29より作品集:空想鳥瞰図出版を記念しART BOX GALLERYにて個展

カメラの機械の美しさに惹かれた学生時代
中学校の修学旅行の時に、友人が高価なカメラを持って来たことがありました。カメラのレンズの色が宝石のように緑色に光っていて、すごくかっこいいなあと感じて、それが、まずカメラという機械に興味を持ったきっかけです。私が高校生になって初めてその友人のと同じ ニコンF2というカメラを買いました。それからは身の回りのあらゆるものを写真に撮りました。花や鉄道や女の子など…。シャッターを切る、という行為自体が楽しくてしょうがなかった時代ですね。その後、大学は写真学科へ進み、東京に来てからは高村規先生に師事して、プロのフォトグラファ−として広告写真業界に入っていきました。飛行機撮影の合間に見たサギの姿
仕事では広告写真を中心に撮影しておりますが、1987年から野鳥をモチーフにオリジナルで作品撮りを行ってきました。始めた当時、大阪空港近くの猪名川というところで飛行機の写真を撮っていました。飛行機が飛んでくるのを待っている間、空を見ているとサギなどの鳥が、川めがけてよく飛んできました。ある時、注意深く見つめていたら、正面から降りて立ってくるサギの姿が実に飛行機の着陸の様子と同じなんだと感心した覚えがあります。それから野鳥というモチーフにこだわって、川や池などカモや白鳥などの野鳥が現れる場所に赴いては作品を撮っていました。絵画のような写真
作品は主にカラーで撮影していましたが、5-6年前頃から自分でデジタル加工をしてモノクロの写真にするようになりました。写真のコンテストに出品して賞を頂いた際に、審査員の方に「写真というより水墨画・日本画のような感覚がある。」と言われて嬉しかったですね。人がやっていることは自分はやりたくないですし、これまで見たことのない写真を創り出したいので。間を生かした構図、静かで研ぎすまされた俳画のようなイメージを追究しています。ポストカードブック出版について
手軽なサイズで、まとまった作品集ということで、できるだけ多くの人に見てもらいたいという気持ちがありますね。以前、NEW PHOTOGRAPHERS FILE (ARTBOX 刊行)に掲載された野鳥の作品を見た大きなメーカーから、キャンペーン広告用に私のオリジナル作品を起用したいというお話がありました。キャンペーンのコンセプトが「ジャポニズム」や「和」でしたので、まさに私の作品のイメージとぴったりだと思いました。このように出版によって、今後もオリジナル作品が様々なメディアに載る機会につながればと期待しています。
アートとしての写真作品、文化の成熟を願う
マス相手の広告の他に、一般の個人の方々にも作品をアピールできたらよいなと思っています。特に写真の世界だと、機材もプリント技術もとても発達している日本ですが、まだまだアートとしての写真の位置付けが確立されていないように思います。写真をアート作品として購入して家に飾ったり、コレクションしたりする文化やマーケットが成熟していないですよね。写真のそういう面でも発展してほしいと切に願います。最近は、もし、欧米に自分の作品を持っていったら、そこではどんな反応があるのだろうかと、考えたりもします。近いうちに欧米で作品を見てもらい評価が欲しいところですね

絵画のような佇まいと、モノクロームの静けさ。しかし確実に感じる鳥たちの息づかい。鳥たちの営みを幻想的に映しだした山内城司のポストカードブック刊行を記念し、写真展を開催します。刹那をとらえた珠玉の作品をご堪能ください。作品一覧
No.45 \31,500
美しい2羽のハクチョウが佇み、湖面にその姿が写し出されています。静かで、気品が漂うフォルムが幻想的な雰囲気を醸し出しています。

No.17 \31,500
水の流れる背後のイメージとは対照的なサギのまっすぐな立ち姿。遠くを見つめているようで大きな空間の広がりを感じさせるイメージです。

No.25 \31,500
ツルがいっせいにどこかを目指して羽ばたいてゆく動的なイメージ。ゆったりとした時間の流れと風を感じさせる作品です。

空想鳥瞰図/ポストカードブック
絵画のようなモノクロームの世界が美しい山内城司の写真集。また写真家のインデックスファイル、NEW PHOTOGRAPHERS FILE でも作品がご覧頂けます。

出版記念展では、ポストカードブック掲載作品を含む25点の写真が展示されました。凛とした作品はギャラリーの空間をよりいっそう引き締め、静謐な空気感が漂っているようでした。多種多様な野鳥たちとの静かで美しい光景が、まだこの日本のどこかにあるのか、と幻想的イメージの写真にしばしじっと眺め入ってみるのもよいでしょう。今後の山内さんにさらなる創作のインスピレーションを与える美しい野鳥との出会いがあることを願います。

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