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ART BOXエージェントがお届けする「イラストレーターに10の質問」。今回は、CG作品が主流の現在、手描きならではの温もりを大切にした水彩作品で活動を続けている亀田佳江さんにお話を伺いました。街角のワンシーンを叙情的に描く亀田さんの作品の秘密と今後の展望は…?


1947年 京都府生まれ。1975年 講談社フェーマススクールズ卒業。こども美術学園講師。日本出版美術家連盟会員。2001年 日本出版美術家連盟展/新人賞。主な仕事:業界紙「Ring」表紙(アイデム)。百科事典「ラ・ボンヌ」カット(講談社)。 学校図書道徳副読本挿絵。■主な画材/水彩■制作期間/カットは1日から、表紙は1〜2週間程度■データ入稿/否■得意なタッチ/水彩画に見えない独自のタッチが特徴ですが、鉛筆の軽いタッチで描いたものまで希望に応じてバリエーションはつくれます。■今後挑戦したい仕事/絵本や小説の挿し絵、カレンダーなど■クライアントに一言/何を求められているかをよく把握して、希望に沿う形で、できる限りの努力をしたいと思っています。目に留まりましたら声をおかけ下さい。ごいっしょにお仕事をさせていただける日を楽しみにしています。

Q1.New Illustrators FILE 掲載後の反響はいかがでしたか?
早速カレンダーのお話を戴いたのですが、残念ながら希望された数の絵が揃えられず、受けることができませんでした。今後の課題です。

2.その他特別な営業活動はしていますか?
同じような本に掲載してもらっています。また、所属している日本出版美術家連盟の展覧会などにも発表しています。もう少し積極的な宣伝が必要だと思っているのですが…。

Q3.今のテイストに落ち着くまでに、改善した点はありますか?
最近はこどもより大人を主題にしたものがふえました。いろいろな画材を試してきましたが、下地をつくった上から水彩絵具で描く方法が大胆かつ繊細に描けて気に入っています。
Q4.最近の傾向としてCGイラストレーションが多い中、手描きの水彩画の良さは何だと思いますか?
手を通して描かれたものは作者の手触りや温もりが直接伝わってくるようで捨てがたいです。

Q5.自然と人の組み合わせ、街角などのシーンをモチーフにした作品が多いようですが、絵を描く際に、どういうところからアイデアを得ていますか?
心にとまった風景や人物を写真やスケッチで残したり、雑誌の中からスクラップしています。実際の制作では、それらを基にしてお話をつくるように想像して描き加えていきます。

Q6.影響を受けたアーティストや物事はありますか?
出産を機に、こども世界に目を向けるようになりました。童話作家ではアロワ・カリジェが好きです。風景の中の人物を描くようになったのはイタリア旅行がきっかけです。
Q7.クライアントから求められる要素について教え下さい。
これまでの仕事では情報誌の表紙が多かったので、“あたたかさ”や“喜び”といったものを要求されました。
Q8.これまで一番大変だった仕事はなんですか?
現在制作中の絵本は、同じ作家と組んだ2冊目になるのですが、ラフの段階で話の内容が変わっていき困りました。作家が何を伝えたいののかがもう一つつかめず、何度も話し合いを重ねて解決しました。

Q9.クライアントへ自分の作品のPRポイントを教えて下さい。
普通の水彩画と一味違った質感が特徴です。見る人が楽しく想像をめぐらせてもらえるような温かなイラストを描いていきたいと思っています。

Q10.これから挑戦してみたい仕事や作品のテイストを教えて下さい。
カレンダーの仕事ができるよう、テーマを決めて作品づくりをしていくつもりです。

取材をもとに自分の世界を作り上げてゆく亀田さん。作品から伝わるあたたかさの秘密は、「手描き」というキーワードの他にもいくつかありそうです。最近では絵本の制作やまとまったテーマの連作など、よりアーティストの個性や世界観が重視・要求される仕事へ挑戦する機会が増えているそう。これからも手描き良さを十分に活かした作品で、活躍し続けてくれる事を期待します。
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