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松川久美
略歴:1988年武蔵野美術大学油絵科卒業。CM製作会社に入社(企画担当)。
1994年独立。
フリーのイラストレーターとして、主にCM絵コンテの作画をメインに活動中。
2005年絵本『にんげんさま おことわり』、2007年絵本『もしかしてももたろう』を出版。

■主な画材:マーカー、水彩、パステル、カラーインク、アクリル、フォトショップ。
■制作期間:作品サイズ、依頼内容により異なります。
■データ入稿:可能。
■今後挑戦したいこと:過去に絵本を出版(共同出版)したことがありますが、ぜひ、また今度違う形で挑戦したいと思います。
■クライアントに一言:こんな風な絵を具体的に見てみたいと、頭の中にあるイメージを、ぜひお伝えください。ビジュアルトランスレーションいたします。
-->> Q1.『New Illustrators File』掲載後の反響はいかがでしたか?

掲載後すぐに反響があったわけではありませんでした。忘れて(あきらめて)いた頃に、一本のお電話をいただきました。『New Illustrators File』に掲載した作品のタッチが目に留まったとのことで。それが新聞の連載記事の挿絵の仕事に繋がりました。

  

※NIKKEI PLUS 1 連載記事の挿絵(クリックすると拡大してご覧になれます)。


-->> Q2.その他に、仕事を得るために特別な営業活動はしていますか?

現在メインのコンテの仕事に関しては営業は特にしていませんが新たな分野に進出はしたく、公募展などに応募したり、個展をしたりしています。後は、ホームページにサンプルを載せているくらいです。

-->> Q3.作品を制作する上で、気をつけていることは?

まず、クライアントとの打ち合わせで相手とよく話し合います。
より具体的なエッセンスを引き出して、求められているイメージを具現化するためです。イメージと違ったと、やり直すことがないようにするためでもあります。それから納期を守ることです。


-->> Q4.現在、テレビCMの絵コンテの作画をメインにお仕事をされていますが、この仕事につくようになったきっかけと具体的な仕事内容、それに、その魅力と逆にご苦労されている点を教えてください。

以前、CM製作会社に在籍していて、コンテの仕事を知り、また社内でもコンテを描くことがあったので、独立してフリーになってからもその会社や他のCM業界の知人から依頼を受けるようになりました。具体的な仕事は、CM企画者のラフなコンテを読み取り、しっかり企画者の表現したい画に描きおこす仕事です。その画を見るクライアントに、企画者のアイデアがきちんと伝わるように表現することです。魅力は、依頼されなければ決して自分で好き好んで描きはしないややこしかったり、面白かったりする世界にチャレンジできること。依頼の数だけ新しい自分の表現にも出会えます。苦労は、作画の時間が常にタイトであるということ。



※イラストをクリックすると拡大画像がご覧になれます。



-->> Q5.仕事柄、様々なタッチを描き分けることができるとのことですが、全部で何種類のタッチをお持ちですか?

何種類とは答えにくいですが、きっと依頼者の要望の数だけ進行形で増えると思います。


-->> Q6.コンテマンの仕事と並行してパステル画、水彩画教室にて講師の仕事もされていますが、これからイラストレーターを目指す人たちへのアドバイスがありましたらお聞かせください。

技術の面でしたら、描いて描きまくり、イラストに止まらずたくさんの良い作品から学ぶことだと思います。後はその道への足がかりをつけるため、学校なり、会社なり、先輩なりに知らないことはどんどん聞いたり、調べたり、情報を集めて積極的にアピールすることでしょうか。


※イラストをクリックすると拡大画像がご覧になれます。


-->> Q7.影響を受けたアーティストや物事はありますか?

自分を感動させてくれるあらゆるメディアから影響を受けていると思うので、これと言うことはできません。名画だったり、マンガだったり、アニメだったり、目の前の景色だったりします。


-->> Q8.これまで、一番大変だった仕事は何ですか?

絵コンテの仕事を始めたばかりの頃、手元に資料が揃っておらず、見たこともないものを描かなくてはならなかった時、時間に追われて写真資料を探しにも行けず、でっち上げなくてはならなかったことです。


-->> Q9.クライアントへの、自分の作品のPRポイントを教えてください。

じっくり丁寧というよりも、早く、雰囲気をつかんだ表現が得意です。特に人物の描写は、依頼の具体さ加減によって、性格、仕草、ムードを描き込み、より希望に添った仕上がりにすることに努めています。

-->> Q10.これから挑戦してみたい仕事や作品のテイストを教えてください。

いつもは時間に追われる仕事をしているので、時間に関係なく、とことんつきつめた緻密な作風の作品や大作を手がけてみたいです。

※イラストをクリックすると拡大画像がご覧になれます。


『New Illustrators File』への作品掲載がきっかけで、現在日経新聞のNIKKEI PLUS1の連載記事の挿絵カットを好評連載中(9月一杯で連載終了)の松川さんは、テレビCMの絵コンテの作画をメインにクリエイティブシーンで幅広く活躍中です。普段私たちの目にすることのできないテレビCMの絵コンテの作画とは、「CM企画者のラフなコンテを企画者の表現したい画に描きおこし、その画を見るクライアントに、企画者のアイデアがきちんと伝わるように表現すること」だそうで、仕事柄、依頼者の求めるイメージをビジュアライズするために、コミック調、リアル調、ほのぼの系からファッショナブルなタッチetc.まで、そのタッチの数も「きっと依頼者の要望の数だけ進行形で増えると思います」との頼もしい答えをお寄せいただいた松川さん。そんなその実力が各方面で高く評価され、着実に仕事のフィールドを広げている松川さんの今後の抱負は、「時間に関係なく、とことんつきつめた緻密な作風の作品や大作を手がけてみたいです」とのことで、日頃常に時間がタイトな仕事に追われながらもチャレンジスピリット溢れる松川さんの新たな作品展開に要注目です。
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