中林忠良 / Nakabayashi Tadayoshi

コメント

このところ「転位」のシリーズでは、白と黒の拮坑と調和にテーマが絞られてきた。
もともとは日常に潜む浮遊感が支点になって、いまいちど自分の足下を掘りおこしてみようと始めたシリーズであったが、しだいに地の生と死の深さに囚えられ、それが描くことと描かないことという、制作のしくみとからみ合って、白と黒の世界に収斂してきた。リトグラフとの二版刷である。

略歴

・1937年　東京に生まれる。
・1965年　東京芸術大学大学院美術研究科版画専攻、修了。
・1982年　第14回日本国際美術展、和歌山県立近代美術館賞。
・1983年　第1回中華民国国際版画ビエンナーレ、国際大賞。
・1986年　第11回クラコフ国際版画ビエンナーレ
　優秀賞第5回ソウル国際版画ビエンナーレ、国際大賞。
・1997年　池田20世紀美術館にて回顧展現在日本版画協会会員
　東京芸術大学美術学部教授。