昨年に引き続き、ART BOXでの個展が二回目となる、画家・南善康の作品展が開催されています。フクロウを描くことに長年情熱を注ぎ、今も全く色褪せることのないフクロウへの想いをお話してくださいました。また、今回は動物や人物像をモチーフにした作品も数多く出品され、それらについての興味深いエピソードもお伺いしました。
プロフィール 1943年東京都生まれ。1967年武蔵野美術大学造形学部卒業。1988年講談社童画グランプリ'88コンテスト・ホルベイン画材賞。1999年越後湯沢全国童画展・奨励賞。2000年 第26回現代童画展・現代童画大賞。2006年ART BOX GALLERYにて個展/2007年個展
昨年に引き続き、二回目となる今回の展覧会のみどころは? 前回の展覧会では、フクロウを中心とした作品を多く出品しましたが、今回は女性像から私の大好きな動物たちまで、テーマも増えて、バラエティに富んだ作品が揃った個展となりました。お客様に色々な世界を楽しんでいただけるのではないかと思います。→前回のインタビュー今も変わらないフクロウへの想い フクロウは、子供に対する親の愛情、夫婦愛がとても強く、我々人間がお手本にしたいほど固い絆で結ばれています。私はフクロウのそんなところに心惹かれます。擬人化して描いているフクロウの作品は、「家族愛」を表現しています。世の中の人々もフクロウのような愛情を持って家族関係が築ければ…。そんな願いを込めて描いています。今回初めて出品された女性像の作品について 私は楽器を弾いている姿を見るのが好きなんです。妻がハープ奏者なので、身近に楽器を弾く女性がいたことは、作品を制作する上でも少なからず影響は受けたかもしれませんね。それと、幼少時代はギターを弾けたらいいなぁという憧れもありました。このような感情が織り重なって、楽器を奏でる女性像の作品が生まれたのではないかと思います。アイデアが生まれる時 私はアイデアを考えるのにかなり時間をかけます。そして日常生活のちょっとした感動からアイデアが生まれることも多いですね。そういう意味では、感動を味わうことはとても大事なことです。 また、私は小津安二郎監督の映画がとても大好きなんです。小津監督の作品は家族愛に溢れていて、見る人に安らぎを与える作品が多いですね。私も皆様に私の作品を通じて安らぎを感じていただきたいと、常に思いながら絵を描いています。見る人へ伝えるメッセージが似ているという点でも、小津安ニ郎監督の映画から受けた影響は大きいかもしれません。これからも変わらず、「愛」と「安らぎ」を与えられる作品を、フクロウや人物、動物といったモチーフを通して描いていきたいと思います。
幸せをもたらすフクロウから楽器を奏でる女性像や愛らしい動物といった作品の数々、計47点。その中から3点をピックアップしました。作品一覧 前回の出品作品 回帰 \525,000 この作品は現代童画会に出品し、大賞を受賞した120号の作品を25号に描き直したものです。広大な釧路湿原をバックにシマフクロウの親子がたたずむ情景をイメージしました。縮小していく湿原が以前のように戻り、フクロウ達が繁栄することを願って「回帰」としました。
りんご園のふくろう \420,000 青森のりんご園の樹に棲みつく何組かのフクロウに魅せられて描いたものです。りんごの樹を通して育っていくふくろうの親子に感動しました。
ハッピーファミリー \189,000 ふくろうの家族の強い絆を擬人化したもので、こんなハッピーで楽しい家族でありたいと願って描きました。
アーティストが表現する 静物・生物/年鑑 さまざまな卓上のドラマ。忘れられないイメージ。息づく生命力、存在感。「SEIBUTSU」では「静物」「生物」をテーマに展開する、現在活躍中のアーティストと作品を紹介しています。
今回、南先生にお話を伺って、先生のやさしい温厚な人柄が作品に表れているのだと実感しました。これからも愛溢れる、心和ませる作品を描いて、人々に安らぎを与えていただきたいと思います。先生の益々のご活躍を期待しております。
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